冬の日

「好きな人ができました」
一行だけのメールを
小さな祈りをこめて
どうか君が 幸せであるように

広くなった左の景色
こんなに寒かったなんて 知らなかったよ

グレーの空 仰ぎ見て
ふたり別の道をゆく
気持ちが変わっていくことを
心が理解した 冬の日

こんな寒い夜には
身を寄せ あたためあった
エアコンが唸りを上げても
今夜は寒さを しのげそうにないよ

細雪が降り始めて
この町もすっかり冬だよ 君はどうしてる?

思い出すよ 出会った日のこと
こんな雪の日だったね
寒そうに肩をすくめる君が
とても愛しかった5年前

強い風が吹いて 雪を舞い上げた
思わず肩をすくめたよ
帰れない日々を思って
振り返らず 歩く冬の日



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