慟哭の巡礼者

初めて見た涙は 湖の底のような
深い藍色で 僕は怖かった

消えないで 今その手伸ばして
行かないで 遥か空の彼方
動けない まるで何かに 足を掴まれたようだ

泣かないで愛しい人 そんな悲しい顔はしないで
いつものように笑って 僕のことをからかってよ

君がいなくなった 昨日まで一緒だったのに
強い風が吹いて 連れていってしまった

わからない 君の選んだ道が
どうしても僕にはわからない
でも泣いていた 君は確かに 遠い空を見ていた

ゴメンネ と言ったなら ねぇもう一度笑ってくれる?
きっと君は許さない 僕のことを許さない

暗い部屋で 手を伸ばした先に
ほほえんだ 君が見えて 揺れて 消えた

泣かないで愛しい人 そんな悲しい顔はしないで
いつものように笑って僕のことをからかってよ

掴めなかったその手 まだ温もりを探しているよ
お願い もう一度 僕の前で笑ってよ


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